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渋谷ヒカリエが発信する新たな渋谷カルチャー!ショーウィンドウで表現する“違和感のある”アート。

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Interview2023.09.18
渋谷ヒカリエが発信する新たな渋谷カルチャー!ショーウィンドウで表現する“違和感のある”アート。
Interview2023.09.18
渋谷ヒカリエが発信する新たな渋谷カルチャー!ショーウィンドウで表現する“違和感のある”アート。
渋谷ヒカリエに新しくアートスポット「THE HIKARIE WINDOW」が誕生。新たなカルチャー発信として、プロのイラストレーターの作品が渋谷ヒカリエ裏のショーウィンドウ内に掲出中です。裏通りから発信する渋谷カルチャーにふさわしい“違和感”のあるイラストの魅力とショーウィンドウを活かした立体的なアート作品を見て感じてください。
Editor:
渋谷ヒカリエ

渋谷ヒカリエ裏通りにあるショーウィンドウにアート作品が展示されるプロジェクト「THE HIKARIE WINDOW」が始動しました。渋谷ヒカリエのDNAでもある「文化発信」をテーマに、国内外のイラストレーターを時期や季節にごとに変更して起用しているので、裏通りを歩きながらアート鑑賞を楽しめます。記念すべき初回に展示されている作品は広告、雑誌、レコードジャケットのイラストを手掛ける「カチ ナツミ」さんのイラストを展示。今回はそんなカチさんと、カチさんをこのプロジェクトの初回イラストレーターとして起用した、vision trackの光冨 章高さんにインタビューを実施。今回のプロジェクトへの想いを語っていただきました。

–はじめに、今回ショーウィンドウを活用したカルチャー発信として、ご依頼を受けた光冨様とカチ様の率直なお気持ちをお聞かせください。

光冨  渋谷ヒカリエさんとは、別のプロジェクトで何度かご一緒させていただいていたので、また新たにご一緒できるということが率直に嬉しかったです。また、今回のプロジェクトも実験的な取り組みで、このような新しいことにチャレンジできる機会をいただけていることはすごくありがたいですね。

カチ  やはり学生の時から度々伺っていた商業施設でしたので、そういった場所で自分がイラストを発信できるのは率直にすごく嬉しかったです。ショーウィンドウというスペースを使用した展示というのは、個人的にも初の試みだったので、ショーウィンドウならではの、イラストの表現というのを考えていて楽しかったし、新鮮な気持ちで取り組むことができました。

光冨様にご質問なのですが、今回プロジェクトに参加するにあたって、どのような想いがありますか?

光冨  普段はご依頼を受けてイラストレーションを広告物として、看板だったりウィンドウなどに出す機会は多いのですが、今回はちょっと違いますね。多くは制作内容が具体的に決まった中でイラストを依頼される為、イラストレーターが起点となり、ゼロから考えて制作する機会は通常はあまりないことです。ですが、実はイラストレーターは絵を描くだけではなく、ゼロからイチを発想することに長けていると思います。今回のように色々な人が行き交う公共性の高い場所で、ショーウィンドウを使用し、イラストレーターが自由に表現をするということは少ない機会なので、すごく実験的で意味のあることだと思います。今後も定期的に様々なイラストレーターの作品を掲出できるので、イラストレーターにとっても、また作品を観ていただく方にとっても、すごく貴重な場所にできたらいいなと思います。

このプロジェクトの初回の掲出作品をカチさんに依頼した背景について教えてください。

光冨  最初に、渋谷ヒカリエがある渋谷という場所で、普段訪れる人たちや、通勤通学で裏通りを歩く人たちが日常使いする中で、このショーウィンドウは“日常の違和感”みたいなことがキーワードとして上がってきました。そこで、カチさんのスタイルは“日常ですけど現実にはない”などのパラレルワールドみたいな雰囲気を感じられる作品が多いので、日常とは違う“未来の渋谷”や“別の渋谷”を表現できるのではないかと思いました。

―カチさんは今回のテーマである「違和感」や「裏通り感」について、制作中に苦労したことや逆に楽しかったことなどあればお聞かせください。

カチ  今回制作するにあたって、実際に渋谷の街を歩きながら自分なりに渋谷という街について考えたのですが、渋谷の街の特徴を考えた際に、「多層的」であることに着目しました。建物や街の構造、また文化や人が入り混じっている点を考えた時、いろいろな意味で「多層的」だなというのを感じました。そういったイメージをどんなモチーフとしてイラストに落とし込めるかというのはすごく苦労した点です。また、現在渋谷の街は再開発が進んで高機能な街になっていると思うのですが、その反面失われていく部分も少なからず、あるのかなと感じていたので、それをイラストから違和感として感じて欲しいと思い、そういったメッセージも込めて制作しました。

― 今回の作品を見る方には、どんな人たちに、どのようなことを感じてもらいたいですか。

カチ  ショーウィンドウという場所の特性上、普段イラストを見ない人や、興味がない人を含めたくさんの人に見ていただけると思うのですが、今回のイラストは実際の渋谷の街をモチーフにしているので、普段から渋谷を利用する方々に“見慣れた渋谷だが何か違和感があるな”と感じ取っていただき、違和感の中にも心地良さのようなものを感じてもらえたら嬉しいです。

― 最後にお二人に質問です。現在渋谷の街が目まぐるしく変化していますが、そんな渋谷の中で、渋谷ヒカリエはどのような商業施設であって欲しいと思いますか。

光冨  やはり渋谷と言えば特別で、昔から憧れのカルチャーが生まれる場所なので、それが今後は、駅ビルの中にそういったお店とか場所みたいなのができたらいいなと思います。東京の人もそうですし、地方から来た人もワクワクしたものが発見できるような場所が渋谷ならではの役割かなと思っています。均一的なものではなくて、ある意味無駄なものって言ったら変ですけど、人に寄ってはすごく心に残るものとか。わざわざあそこめがけて行きたい。と思える場所になってもらえたら我々もすごく訪れやすいなと思います。あとは、渋谷ヒカリエさんで言ったら「ヒカリエデッキ」みたいな、クリエイターが溜まってお話できるような場所でいい出会いやアイデアが生まれると思うので、そのような場所が増えてくれたら個人的には嬉しいですね。

カチ  私にとっても渋谷はすごく特別な街という印象です。やはりイラストだったり、こういった仕事携わる身としては、カルチャーという面で渋谷って本当に特殊というか面白い街だなと思っています。その中で渋谷ヒカリエという場所は、元々地方民の私としては、すごくアイコニックな場所でカルチャーの発信地として特別な場所と感じていました。ですので、これからも渋谷に行かないと体感できないっていうモノやコトをどんどん作って行っていただきたいと思います。個人的にはそう言った場所であると、これからも行きたいと思える場所だと思うので、そういう場所であってほしいなと思っています。

THE HIKARIE WINDOW
ILLUSTRATOR FILE #01

NATSUMI KACHI
カチナツミ
Profile:
1993年岐阜県生まれ、東京都在住。
2016年愛知県芸術大学美術学部デザイン学科卒業
WEB制作会社でデザイナーとして勤務を経て
2019年よりフリーのイラストレーターとして活動を開始。
広告、WEB、雑誌、レコードジャケットなどを中心に活動中。
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